Saturday, October 10, 2009

ビーフカレーLEE20倍食うてみた

夜食とか食べて頑張ってみよう.そんなとき,ドンキーホーテ亀戸駅前店のレトルトカレー売り場でひと際輝きを放っていたのが,LEE20倍でした.その輝きに負け,手にとり,レジに向かったが戦いの始まりでした.
電子レンジで2分あたため,ひとくち.
意外といけるかも,これが初対面の印象です.
このときの私はどうかしていたのかもしれません.めずらしく強がって見せたのかもしれません.
でもそんなの全部ウソでした.自分に嘘つかないと食えないくらい辛かったのです.
3口ほど食べたあたりで,その自分自身へのウソに気がつきました.

手が震えだしました.
腕の筋肉が,カレーの入った皿に近づかせないように抵抗しているようでした.
でも,その抵抗を振り切って,スプーンを皿と口の間をピストン運動させました.
もう辛くて辛くて,止まるともう立ち上がれないんじゃないかという気にさえなっていたからです.
そのときの私は,本当にどうにかしていたのかもしれないです.

皿を空にし,戦いに勝ったのは,テレビでジローラモが生パン粉と卵を手で混ぜているときでした.
私の視線は定まらず,ただ虚空を目に写していただけが,私のできることでした.
コップを用意していなかったので,水も飲めず,ただただ虚空の世をさまよっていたように思えます.

ようやく立ち上がり皿を洗おうと思えたのは,ジローラモがさっきの具をイワシに挟み,手で押しつぶしているときでした.
私の手からは水のようにさらさらな汗がじんわりと滲んでいました.

戦いに勝ったが,何かを失った.そんな気がしました.
戦いとはそういうものなのかもしれません.日本は平和ボケしていると嘆く人もいますが,そう言っている人ほど,平和ボケしているのではないでしょうか.いつでも戦いは起き,勝者も敗者も何かを失います.決して良いものではありません.平和ボケという言葉は,なにか,戦いを望んでいるような,そんな暗い意味の言葉に感じます.私は決して戦いを望もうとは思いません.生活の中でも戦いは起こるのです.

とにかくLEE20倍を食べるときは,それ相応の覚悟を用意することをお勧めします.

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