知性を持ったロボットの時代だって騒がしい。
私は日本人形だった頃がある。
女の子として生を受けたが、家は男を望んでいたため、ずっといじめられていた。
けど、しばらくしたある日、それは突然終わった。
母に捨てられた。
捨てられた場所は山だった。
知らない山中の知らない木の下に座らされ、何か薬を飲まされた。
少し歩いたら眠くなって、そのままそこで寝てしまった。
そこに人形師がやってきた。
そこは子供が捨てられる場所で、すべて死んでいる。
良質の素材は人間から作られる。
人形師は、捨てられ、死んだ子供を供養するとともに、部位を切り取って帰る。
それがこの村の供養の仕方だった。
私は死んでいなかった。
だから、刃が当たった時、血が噴き出した。
人形師は驚いたが、もう遅かった。
供養とともに、素材として解体された。
ほかの死体は、ところどころ腐って、髪くらいしか使えなかった。
でも私は、全部新鮮だから、全部使えた。
人形師はそれらを使って、完ぺきな人形を作った。
凄くきれいな出来だった。
そして、意思を持った。
そして、家に戻った。
人形として。
弟のプレゼントして。
そこでの時間は幸せだった。
生きていた時よりずっと幸せだった。
そのまま50年ほど経ち、家族がいってしまった。
しばらくして、ある技術者が来て、私を調べた。
すると高精細なレンズが使われていることに明らかになった。
まるで目のようなレベルだと。
そのほかにも調べて、すべてが高性能であることも明らかになった。
その技術者がほかにも技術者を連れてきて、いろいろと部品を付けて、あれこれされた。
気付いたら、動けるようになっていた。
話せるようになっていた。
と、いうような時代が来るのかなぁ。
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