電算室の扉を叩く女性

さっきの話です．
学内のシャワールームに行こうとしたとき，電算室の前に女性が立っているのが見えました．その女性は，何をしているでもなく，ただ電算室の方を向いて立っていました．
私の立っていた位置から電算室までは廊下が一直線で50mくらいで，ホラー映画に出てくるような幽霊のように見えました．
身の毛が弥立つとはよく言うもので，本当にぞっとしました．
見てはいけないものを見てしまったような気がしました．

そのまま数秒見てたのですが，突然その女性が電算室の扉をたたきだしたんです．バンバンと．
もしかしたら，疲れすぎで見えないものを見ていると認識しているのかもしれないと思い，研究室にいるぐっさんに確認しました．
ぐっさんもその女性を見て，確かになんかおる，と．

あまりにも気味が悪いので，しばらく研究室に逃げ込みましたが，数分してもずっと扉を叩く音が聞こえました．

これは相当な異常行動なので，何が起こっているのか確認するために，ビビりながらも，その女性に近づくことにしました．
廊下は一直線なので，40m，30mと近づいていきます．
それでも，その女性は叩くのをやめません．
20mくらい近づいたところで，お困りですか，と声をかけました．
それでも叩くのをやめません．
10mくらいで，もう一度お困りですか，と声をかけました．
女性が振りかえりました．

某テク川さんでした．

「おひさしぶりでーす．学生証忘れて締めだされてしまいましたぁ」

夜中の12時ですよ．
相当ビビってしまいましたが，結果テクさんという微妙なオチで何とも言えない空気でした．どうであれ，テクさんが無事電算室に入れてよかったです．
ちなみに電算室には，いっぱい人がいました．
それなのに，誰も扉を開けてあげないというテクさんの人望の厚さに感激いたしました．
仲良くやろうぜ，テクさん．