川端康成の伊豆の踊り子を読んで,質の高さに驚いています.
細かな描写はほとんどせずに,色のない物語にしているの印象的です.
文章の量を主人公である学生の心情を捉えるに十分な程度で抑えているため,短文で想像しやすい文の構造をしています.
また想像しやすいのは,短文という以外にも,多くの人が見たことがある想像しやすいものしか登場していないことも挙げられると思います.技の一つとして盗んでおこうと思います.
構造についてもすばらしいのですが,内容に関しても面白いです.青年の心情がそのまま映し出されていて,読者の期待を煽るような何か惹きつけるものを感じます.ミステリーのような不思議さやのめり込み,また,史実のようなロマンはないのですが,読んでいると,次はどうなるのか,などと先が楽しみになっていく作品です.
アマゾンで送料無料にするための調整として購入した本なんですが,値段以上の価値があると思いました.さすがノーベル文学賞作家です.勉強になりました.
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