Wednesday, July 8, 2020

親からの池月

うちの親からたまに意味のわからないお願いがある。

今回は、酒を送るから、それらを飲んで、感想を教えろと言うものであった。
で、送られてきたのが池月という石川の酒であった。

総評は、結構どれも味が濃い系で、飲み進めたらわからんくなるからどれもおいしい酒ではあると思う。けど、一応、差をつけるなら、以下のような印象であった。

吟醸 みなもにうかぶ月
吟醸感は弱い感じの良い吟醸酒。
注いだ瞬間は、生酒のような甘ったるい香りがするけれど、少し置くと弱いアルコールと花屋の前を通るときに感じる香りに変わっていく。花屋の中ほど、香りぷんぷんじゃない。
ひとくち啜ったら印象がガラッと変わって古酒のような香りに変化して、少し置くとまた花屋の香りに戻るのは、体感したら面白い。
味は舌先を締め付けるようなキレがあって、後味も引かずに抜けていくような感じ。
それでいて味はそこそこ濃く、コメの味がする。吟醸感も弱くて、不思議な作りだと思う。
結構複雑な順番で味が変わるので、初見では、予想しにくくて面白い。
天ぷらとか揚げ物とかに合いそう。

純米大吟醸池月
洗練された簡潔な味わいの純米大吟醸。この味を知ってて、好きな人はこれしか選ばないくらい、良い香りの水。アルコール16度というのがウソに感じるくらい柔らかい味。柔らかすぎて、序盤ではちょっと弱いかもしれない。
注いだ瞬間から、花屋の前を通った時のような華やかな香りがたっている。花屋の中ほど、香りぷんぷんじゃない。
口に入れるとほんのり甘くて、アル添なし特有のアルコールのキレが柔らかく、あと引く感じ。かなり完成度は高い。
華やかさに欠けるので、宴会の一発目で頼む酒というより、終盤に来ると、こういうのがいいよねって言われる種類の味わい。
これだけバランスよく作られていたら、どんな料理にも合うけど、強いて言うなら青魚のさしみとか卵焼きの相手にしたら良いと思う。

純米池月
これはうまい。
香りの入り口は、ほんのり華やかな香りはするけど、一口飲むのと、華やかな香りは全くなかったくらいに濃厚な純米感ともいえるコメ特有の香りが出てくる。そして、甘さが追いかけてくるので、これ単品で完成している。
純米酒ではありえないけど、後味に少しだけ古酒っぽい香りが乗ってるのが不思議な感じを出している。
ビールしか飲まないとか焼酎しか飲まないというような輩には感じにくい絶妙なバランスがここで構築されているような印象がある。
濃厚な味わいなので、あてはスモークチーズとかブルーチーズ、レアチーズのカニ味噌乗せとか、塩ひとつまみ、背脂ラーメン、チャンピオンカレーが有効だと思う。なんでも、この強さにはかなわんから、酒単品で飲むのが良いと思う。

と、以上の感想をメールで送った。
それに対しての返信が、純米酒が好きってことね、という一言で、マジでなぜに感想を聞いたんだろうと思った。

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