Tuesday, March 21, 2023

膝がかゆい

うっかり締め切りを忘れていて、複数の文書を短期間で作らなきゃならないんだけど、こういう状況はなかなかにテンションが上がる。そもそもなんで私に依頼してきたんだというのはあるけど、何かと期待があってのことだろうと思う。それだけ年を取ってきたということだろうか。

いくつかのトリックをこれまでの作品には試みているが、今回はじめて文字制限なしの依頼があった。ということで、非常に限られた人間しか見ないのだが、文の圧というのを表現したく、そこそこの文字数で書こうと思う。10,000文字くらいかな。

自分が使っている手法は、coarse-to-fineというもので、初めに粗く全体をつかんでおいて、その後徐々に細部を表現していくというもので、計算機科学の分野でもよく使われるアルゴリズムだ。

実世界でも使い勝手が良く、とにかく試行数を増やすことで詳細度が上がっていく。文章というのは細部を書き始めれば、どんどんとリアルな描写になっていく。

単に、「花粉症でくしゃみが出る」、と書けばいいところでも、「急に右の鼻の奥が刺激されたような感覚になり、くしゃみが出た。花粉症の症状である。その後は、鼻をかんでも、眉間の辺りがむずがゆい」とかまで描写できる。もう一段行くと、「立ちながら作業していたが、飽きて、tiktocを見始めてしまい、ついつい前かがみの状態になっていた。前かがみになるとどうやら花粉が鼻の奥を刺激しやすくなるらしく、鼻の奥で何か刺激を感じた。右の奥である。はぁはぁと二息くらいついて、ついにくしゃみがでた。さすが花粉症の季節だ。そういえば、去年の桜の季節もそうだった。花粉症のくしゃみは後に引く。眉間あたりもかゆく感じる。膝までかゆい気がしてきた」とか、どんどん描写を足せる。

元がなんだったのかわからないくらいに細部を書ける。これがcoarse-to-fineというアルゴリズムである。今回はこの手法で、4段階か5段階まで掘り下げていこうと思う。まだ1段階もできていないけど、少し手を動かしてみようと思う。

仕事の文も併せてテンションマックスで書いていく。


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